管理運営の基礎知識と事例

 

会員の実践紹介

■おことわり 内容は記事末尾に記載の時点のものです

メロディハイム枚方

[枚方市池之宮3 総戸数:126戸 棟数:2棟 建築・分譲開始:1996年]

管理組合について

当マンションは、バルコニーから公園の緑が眺められる「イーストビュー」と、雁行設計を摂り入れた南向きの「サウスビュー」があり、敷地面積の約10%にあたる507㎡の公園スペースと敷地面積の約25%の緑地を確保しています。

駐車場においては、敷地内駐車場128台分あり、その内来客用の駐車場が10台分も確保され、知人・友人にも気軽に来ていただけます。

その他、当マンションでは、昨年春に大規模修繕工事を実施しており、更に外観が綺麗になりました。

昨年11月に入会させていただき、早速、管理経費コストダウンの作業に着手しています。

今後も、情報交換に基づいたコストダウンを図っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

         

[20110306 会報第19号に掲載]

大規模修繕

大規模修繕工事の実施体験談

1 メロディーハイム枚方の概要
  • 住所 枚方市池之宮3丁目4-20
  • 竣工 平成8年8月(1996年8月)
  • 総戸数 126戸(A棟100戸、B棟26戸)及び 集会室、管理事務室、管理員住戸
  •  

    A棟 鉄骨鉄筋コンクリート造11階建・塔屋1階

    B棟 鉄筋コンクリート造地下1階地上7階建・塔屋1階

    EV3基、駐車場128台 (平面6台、2段式機械8台、3段式機械28台、4段式機械86台)

    バイク置場70台、自転車置場229台

2 大規模修繕工事への取り組みの概略

(1) 大規模修繕委員会(平成20年1月)

構成員:歴代理事長の有志、当時の理事長

任務:工事仕様、資金計画、業者選定、 契約、工事監督

(2) コンサルタントの選定(平成20年3月)

契約:平成20年3月16日 (2008年3月16日)

委託先:(株)浪速技建

契約額:325.5万円(工事監理を含む)

選定理由:居住開始当初より当マンションの建物・設備点検を継続して受託し、建物の現状に精通している。(管理会社の系列業者)

業務内容:建物調査診断、基本計画策定(仕様書、見積、資金計画)、着手前業務(業者選定補助、契約補助、施工計画、官庁手続き)、着手後業務(工事監理、各種報告書)、管理組合補助(修繕委員会、総会、住民説明他)

(3) 建物劣化診断調査の実施(平成20年3月)

委託先: コンサルタント業者(委託の範疇)

実施: 平成20年3月14日、7月27日

項目: 各部位の下地・仕上げ材の種類と劣化状況

方法: 目視による調査、テストハンマー等による打診調査、指触による塗膜調査、塗膜付着力試験、コンクリートの中性化試験、 シーリング材のダンベル試験

評価: 部位別、仕上げ材別にA(良好)~E(重度)の5段階評価

劣化現象: チョーキング現象(白亜化)、塗膜汚染・コケ・藻の付着、塗膜亀裂、下地調整材の浮き、ひび割れ、白華現象、押出し・爆裂・鉄筋露出、発錆、タイルの浮き

【留意事項】

①劣化項目数のみでの判断は危険(規模に占める割合の把握が重要)。

②各劣化項目毎の建物全体に対する影響度合い(深刻度)の見極めが大切。

 

(4) バルコニー等共用部の調査(平成20年6月)

委託先: コンサルタント業者(委託の範疇)

方法: 住民アンケート調査及び現場調査(代表7住戸) ⇒ アンケート回収率 82%(6月5日提出期限)

項目: バルコニー壁面・天井・床面・手摺・パーテーションボードの状態、バルコニーで気づいた点、その他共用部分で気づいた点

【留意事項】

①劣化項目数のみでの判断は危険(規模に占める割合の把握が重要)。

②各劣化項目毎の建物全体に対する影響度合い(深刻度)の見極めが大切。

(5) 工事仕様書の作成(平成20年9月)

【当マンションでの例】

工事範囲、使用材料、施工基準(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修)、工事時期、

保証期間(内外装塗装5年(天井は2年)、鉄部塗装2年、廊下床・階段床の防水5年、ルーフバルコニー床10年)、

塗装仕様(仕上げ材別)、防水仕様(仕上げ個所別)、その他改修工事仕様、補修工事仕様(下地補修・処理・調整(クラック、鉄筋、シーリング、浮き、汚損))、

仮設工事(電気、水道、電話、足場、養生)、

検査(工事中、完成)、竣工図、

説明会実施、提出書類、作業打合せ、作業時間、作業管理、作業員の服装、居住者への安全確保、喫煙、手洗い、損害賠償、廃棄物処理、色彩決定、官公署への手続き、屋上の使用制限、障害物への処置、工事不可能個所、工事写真撮影要領(着手前、工事中(仮設、施工状況・隠ぺい個所)、完了時)、

契約書式(民間(旧四会)連合協定契約及び同工事請負契約約款)、竣工後の点検(3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月)

【留意事項: 塗装範囲の明確化】

①扉枠、扉の裏側 の明記

②屋外工作物(フェンス支柱、物置、モニュメントなど)の明記

③板厚のある器具等の厚み部分の塗装抜け

(6)資金計画(平成20年10月~平成22年1月)

今回の工事費の負担のみならず、今後の諸設備維持補修費、再度の大規模修繕、機械式駐車場の再構築等の後年計画が賄える修繕積立計画か?

①5年毎の長期修繕経計画の見直しを繰り上げた。

②建物保険がマンション積立保険のため、解約の是非について検討。

③後年計画が賄えないので、修繕積立金の改正を決断。

④また、2008年9月のリーマンショックに起因する景気の悪化により、工事実施を平成21年予定から平成22年(2010年)以降の実施に変更した。

(7)施工業者の決定(平成20年10月~平成22年3月)

①居住者の推薦業者(募集実施)、コンサルの推薦業者の4社から絞り込む。

②見積りの取付・審査

・コンサルの単価なし内訳書を参考資料として提供し、見積りを取付けた。ただし、数量は参考であり現場確認の上、適宜の補正実施を条件とした。

・4社の見積比較で大きく異なる数量については個別説明を求め、是正も。

③業者の絞り込み

・高額提示業者を排除し、3社に個別の日時を指定して、ヒアリングを実施。会社の規模、同種工事実績、提示した工事仕様に対する提案、受注意欲、値引き対応等を総合的に勘案し、2社に絞った。

④臨時総会: 工事予算(積立金改正含む)と2社択一方針の承認を求め、議決を得た。

⑤契約: 総会後、安価な見積り提示業者と更なる値引き交渉を実施した。

 契約: 平成22年3月19日(2010年3月19日)

 工期: 平成22年3月23日~7月31日

(8)工事の実施(平成22年3月から5ヶ月間)

①幹事会:大規模修繕委員と理事会役員で構成(管理組合の監理体制)

 大幅な変更対応、出来高確認(中間払い)、報告書確認、完了検査等を担当。

②住民対応

・住民説明会の実施 (平成22年3月)  現場代理人紹介、仮設計画、工事工程、工事内容の説明、各工程の注意事項、植栽置場の設置、網戸・雨戸の撤去と保管、施工管理体制、広報、安全対策、防犯対策、作業員識別、緊急時の連絡体制、工事保険、廃材処理、アフターケア(3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、3年、5年、10年)、作業時間の厳守(8:30~5:30)、工事の休日(日曜祭日)。

・意見箱の設置、連絡先の周知

・工事工程ごとの予告、進捗状況の掲示(必要に応じて各戸配付)

③工事監理上の留意事項

・電気、水道の個別契約の遵守、仮設トイレの設置と汚水処理方法の確認

・塗装色は、管理組合の承認が不可欠

・網戸、雨戸は各戸保管がベターか(取り外し、再取付の支援の明確化)

・一時撤去を余儀なくされるエアコン室外機の脱着費用の負担者の明確化

・ベランダ設置物(収納ボックス、植栽など)の保管場所の確保

・手摺(アルミ製、塗装手摺に関わらず)の養生厳守の確認と監視

・工事タイミングの工夫  ベランダ側と玄関側は10日以上ずらせる(一時保管場所の確保のため)

・仮設電気、ガス、水道の精算方法の確認(使用前後のメーター確認等)

・既存植栽の復旧の明確化(工事前後の状況写真記録)

・防犯対策の徹底(足場からの侵入防止、不審 者の立入阻止)

・足場が無いと確認できない個所の施工状況確認の徹底(コンサル任務)

・管理組合の立入確認(保険適用外を理由に拒否されないための手当て)

・工事進捗状況の常時公開と各住戸の関連工事の事前通知の徹底

・資材運搬外の業者車両の乗入れ禁止(特に通勤車両:場外で確保のこと) ④工程毎の検査と住民アンケート調査の徹底

・工事途上及び完了時

(9)保証期間 (保証書による確認の徹底)

外壁塗装:7年 天井塗装:2年 鉄部塗装:3年

外部階段床、廊下、庇、アーバンルーフCB-2.0:5年

ルーフバルコニー床、アーバンルーフUM-C3:10年

内外壁・鉄部(シール)、タイル張り替、打継目地、建具周り、手摺根元:5年

エントランス屋根:10年  (加藤 記)

[20130310,0512,0707,0908,1109 会報第31-35号に掲載]