管理運営の基礎知識と事例

 

会員の実践紹介

■おことわり 内容は記事末尾に記載の時点のものです

牧野駅前ハイツ

[枚方市西牧野4 総戸数:239戸 棟数:1棟 建築・分譲開始:1975年]

管理組合について

牧野駅前ハイツは京阪本線牧野駅の西側、府道守口~京都線沿いにあるL字型のマンションです。

牧野駅周辺には、最近でこそ大きな建物も増えて来ましたが、それでも、当ハイツからは、
  ・西側:淀川の向こうに山崎~高槻の山並
  ・東側:北河内の丘陵地
  ・北方はるかに比叡山
等が望め、景色の大変良い、自然環境に恵まれた立地にあります。

 

牧野駅からは徒歩2分の至近の位置にあり、駅周辺にはスーパーや商店街もあって、生活にもとても便利です。

当マンションは、その規模から、当マンションで1つの地区を構成しており、自治会・子ども会・老人会・防災会と管理組合があり、協賛行事として、毎年夏には「夏祭り」を開催しています。

当マンションは築35年になり、今年の夏から第2回目の大規模修繕工事が着工しています。

なお、現在、西隣では、旧郵政近畿レクレーションセンター跡地に戸建て住宅街(約150戸)が開発中です。

[20101226 会報第18号に掲載]

長期修繕計画

「区分所有者の理解を得て、修繕積立金5,500 円/月を12,000円/月に値上げする!」

牧野駅前ハイツは、昭和50年(1975年)2月建築(設計施工 鴻池組)の築後46年の鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションです。L型13・14階建239 戸です。牧野駅徒歩2分、ライフが目の前、4,300㎡の公園を有する、いわゆる駅近の緑多いマンションです。

修繕積立金は5,500円/月を30年間値上げをせずに来ました。10年前の大規模修繕工事では約6,000万円の借金をして、1.6億円の大規模修繕工事を行ってきました。

2019 年度の10月、理事会のもとに中長期修繕・財政計画検討委員会(以後、長計検討委員会という)を理事、公募委員で構成し設置しました。同年10月、枚管連の紹介で、大阪マンション管理士会の講師で「中古マンションの課題と未来を考える」学習会に47名参加、’20年2月「当ハイツの耐震診断と耐震を考える」学習会をMTK一級建築事務所を講師に31名が参加し、当ハイツの現状と課題を学習しました。

今後10年間で受水槽の地上化、ベランダサッシ・玄関ドアの改修、10年後の’31年に大規模修繕工事等の改修を考えると修繕積立金が大幅に不足します。

また、30年間の長期修繕計画(以後、長計という)も、「長期修繕計画もどき」しかなく、本格的なものがありませんでした。長計検討委員会で検討する中で、本格的な長計を作成するためには専門業者の力が必要であることを痛感し、’20年6月MTK一級建築事務所(以後、MTKという)と契約しました。長計作成にあたっては、

 

① 長計検討委員会にMTK担当者も参加して一緒に論議検討する。

② 管理組合二ュース(以後、二ュースという)は’20年8月〜’21年3月の臨時総会まで約43号発行し情報公開に努めてきました。また意見も寄せて頂くようにし、意見提出票には部屋番号、氏名、電話番号を記入してもらいました。

③ 寄せられた意見は二ュースにすべて掲載しました。また、質問形式の形で、理事会の考え、見解をその都度二ュースで知らせました。

④ コロナ禍ではありましたが、3密をさけ、20名以下の人数で対面での説明意見交換会も重視し2階集会室で開いてきました。

⑤ 長期修繕計画「素案」の全戸配布と討議期間’20年11月末〜12月末、「案」の全戸配布と討議期間’21年1月上旬〜2月中旬 、「正式案・議案書」の全戸配布と臨時総会に向けての討議期間2月下旬〜3月14日(臨時総会)を行いました。その間、区分所有者・居住者との説明意見交換会を6回開催し合意形成をはかってきました。

⑥ また、臨時総会に向けて寄せられた、管理業務の見直し、駐車場料金見直し等については’21年5月定期総会以降に検討委員会を設置して対応することにしました。現在、「管理費・管理業務見直し検討委員会」「駐車場、バイク・自転車問題検討委員会」を理事、公募委員で構成し、理事長の諮問に基づき検討を開始しています。

⑦ 毎週木曜日の1時間程度の拡大3役会議と月1回の理事会に検討状況を報告してきました。拡大3役会議は1年間に約50回開催してきました。

臨時総会は’21 年3月14日に開催し 100%参加を目指しました。区分所有者の提出は223戸/239戸(提出率93.3%)、承認は総会出席者14戸全員と議決権行使・委任状201戸の計215戸、(承認率89.9%)、不承認8戸でした。引き続き、「ご一緒に安全で住みよいマンションをつくりませんか」と呼びかけ、管理組合の活動をすすめています。(牧野駅前ハイツ管理組合 東野亨・野田隆治)

[20211018 会報第78号に掲載]

大規模修繕

築35年になる牧野駅前ハイツですが、このたび第2回目の大規模修繕が完了しましたので、簡単に報告させていただきます。

★前回の大規模修繕は、1992(平成4)年度に実施し(鉄部塗装は2000(平成12)年度にも実施)、それから約15年が経過した頃から、鉄部や通路天井等の塗装の劣化が進んできましたので、2009(平成21)年度総会において、大規模修繕に向け:

・建物劣化状態の詳細調査  

・修繕委員会の設置

を決議しました。  

★今回の大規模修繕工事での基本的な考え方は:

① 管理組合理事会の下に修繕委員会を置く

② 理事会及び修繕委員会主導で進める

③ 耐久度についての具体的な目標を置く

④ ③に基づき、コストパフォーマンスを勘案して材料・工法等の仕様検討を徹底的に行う

⑤ 足場の要否に基づき工事に優先度を設定し、資金との調整を図る 等です。

★前回の工事では、かなりの部分を業者にお任せしたのですが、枚管連での情報等をもとに、今回は管理組合の主導で取り組むことにし、仕様検討等を十分に行い適切な提案を理事会に提言する「修繕委員会」を置きました。修繕委員会は:

・委員数は6名。 2回/月 程度の頻度で開催

・課題・技術内容を修繕委員会で検討し、結果を理事会に提言し、理事会にて審議・決定

・修繕に関する専門知識を持つコンサルタントを委員に含める としました。

コンサルタントは、当マンションについての十分な基礎知識を持つ管理委託会社の一級建築士の方にお願いし、仕様決定・業者選定までのコンサルタント料は525,000円でした。

★スケジューリング

数ヵ月の工期と、場合によっては億を超える費用が必要な大規模修繕には、それなりの事前準備を含めたスケジューリング(段取り)が大切です。

今回は計画から工事完了まで3年をかけました。

 ・1年目 ‥ 推進体制確立、劣化状況調査

 ・2年目 ‥ 実施決定→仕様検討~業者選定

 ・3年目 ‥ 業者決定、契約~着工

工事に関する重要な決定を定期総会にて行えるように、準備や作業のタイミングを合わせました。

大規模修繕を修繕計画通りに実施していては、耐久性が十分に残っている段階で工事してしまうことになり、もったいないもので、この対策として:

 ・日常から劣化の進み具合を把握する  

 ・寿命を使い切る直前のタイミングで工事する   のが賢いやり方といえます。

★足場(工事には必要だが何も残らない‥(^_^;)  

大規模修繕工事を確実・円滑に進めるために、仮設足場は必要不可欠といえるものです。その費用は工事費全体の5~10%にもなりますが、工事完了後に足場は撤去され、費用負担だけが残ります。足場費用を相対的に低減させるためには:

 ・足場を組む工事の間隔を長くする

 ・足場が必要な工事をまとめて施行する

といった工夫が必要です。

★建物調査結果の反映

修繕対象個所を明確にし、材料や工法を選定し、修繕費用を適切なものとするために、事前の詳細な建物調査を行い、結果を工事に反映させます:

・劣化のひどい所 ‥ 長持ちする材料・工法に

・劣化の少ない所 ‥ 実施の先送りを検討

牧野駅前ハイツでの具体例として:

・庇・通路・ベランダの防水処理

雨水滲入によるコンクリートや塗装の劣化を予防。特に最上階の天井となる大庇の上面(屋上)の防水は耐久性の高いものとしました。

・窓周りや壁継目シーリング打替えの部分施工

通常は10年位で実施しますが、35年経過後も、大半が十分な健全性を保持していましたので、劣化部分のみ施工しました。

★耐久度目標/仕様検討

前回(1992(平成4)年度に実施)の大規模修繕では、外壁塗装塗料は主にシリコン系塗料を、部分的にフッ素系塗料を使用しました:

・フッ素系塗料 ‥ エレベータ塔屋外壁

・シリコン系塗料 ‥ その他外壁

フッ素系塗料は耐久性等の性能は抜群ですが値段が高いため、当時(約20年前)は主に特殊な建物の塗装に用いられ、マンション等の一般の建物の外壁塗装に使用することはまれでしたが、業者の推薦もあり採用し、結果として建物劣化調査時点で:

・フッ素系塗料部分 ‥ 目立った劣化見られず

・シリコン系塗料部分 ‥ チョーキングが目立つ という状況、17年が経過して、塗料の耐久性に大きな差があることを確認できました。なお、今回の見積りから、フッ素塗料はシリコン塗料の約1.3倍とその差は少なくなっていることが判りました。

マンションの様な市街地環境では、風雨や直射日光にさらされる外壁においてもフッ素系塗料は20年以上の寿命があると思われます。

この結果を踏まえ、次回大規模修繕20年後を目標として、材料・工法を選定することにしました。  

★見積作業/業者選定

見積は、複数業者の相見積りを原則とし、工事仕様書により工事範囲と数量を明確にして行いました。見積参加には下記の資格要件を設定しました:

・資本金・経営状況

・(本店・支店)所在地 ・特定建設業許可

・元請工事実績(近畿圏実績、同等規模実績)

・常駐現場代理人資格・実績

工事実績や枚管連で得た情報等をもとに、候補業者12社を抽出し、絞込みを実施しました:

・資格要件評価 ‥‥‥‥‥‥‥12社→5社

・見積参加、見積額・内容評価 ‥‥5社→3社

・ヒアリング評価 ‥‥‥‥‥‥‥‥3社→1社

それぞれの評価は、工夫をして項目ごとに数値化を行い、客観的な評価を行うようにしました。

最終的に、今回の大規模修繕工事の発注先を、建装工業(株)に決定しました。

★資金計画とのマッチング

総工事代金見積額は、約160,000,000.- で、1戸あたりでは、約670,000.-/戸 となりました。

修繕積立金が不足しましたので:

・低優先度工事の先送り

・借入による資金調達

等の調整で資金との整合を図り、返済計画も明確にして定期総会に諮りました。

★安全祈願祭

工事開始に先立ち、工事の無事故・無災害を祈願して、近隣の片埜(かたの)神社にて「安全祈願祭」を実施し、これを修繕ニュースで入居者に伝えました。

★工事監理

工事の施工監理はコンサルタントによる方式としました。コンサルタントは管理委託会社の一級建築士の方にお願いし、工事監理料は2,340,000.-でした。

★工事管理

工事開始後の業者や監理者との調整は次のように行いました:

・監理者による現場打合せ ‥‥‥ 1回/週

 理事長が同席

・修繕委員会  ‥‥‥‥‥‥‥‥ 2回/月

 監理者・業者も出席

・理事会(監理者・業者も出席) ‥‥ 1回/月

この頻度・タイミングで実施することにより:

・施工上の課題の早期抽出ができた

・修繕委員会審議案件の審議を円滑に進める為の説明資料等を事前に適切に準備できた

・軽微な課題については修繕委員会で対応し、課題に対してスピーディな対応がとれた

★開けてビックリ玉手箱

工事をして初めて分かったことがいくつもありました。

(1) ベランダ外に設置された13階まで延びる竪樋や、建物接続部のエクスパンションが脱落寸前だった

(2) ベランダにかすかに防水塗装が残っているのが、防水塗装着手後に判明し、対策が必要となりました。竣工図書にも載っておらず、誰も知りませんでした。(志賀 記)

[20210515,0703,0904,1103 会報第20-23号に掲載]

コミュニティづくり その他管理

牧野駅前ハイツは昭和50(1975)年に分譲が開始された、L字形13階(一部14階)建、1棟239戸のマンションで、築34年を迎えます。  

当地区には、自治会・防災会・子供会・老人会・管理組合の組織があり、
  ・自治会:自治・コミュニティ活動
  ・防災会:防災活動
  ・子供会:子供の保護・育成活動
  ・老人会:高齢者の交流活動
  ・管理組合 : マンション建物・設備の維持活動の、それぞれを分担して活動しています。

当マンションの特徴として、京阪本線牧野駅から徒歩2分という至便の場所にありながら、緑が多く、近くには淀川が流れ、生駒山・比叡山等も遠望することができる恵まれた位置にあります。  

牧野駅前ハイツ管理組合は、分譲開始から6年目の昭和55年になってようやく設立されました。管理組合の活動は、「維持管理費を抑えつつ、理事の負担も軽減する」をモットーに運営を行っており、地域コミュニティ活動の中心である自治会(任期は1年で、ほぼ毎年交代)との人材交流を毎年行い、規約上の理事の任期は1年であるものの、多くの理事に継続して再任していただき、平均の在任期間は4年を越えています。これによって、
  ・管理ノウハウの共有と蓄積が容易になる
  ・長期的な取り組みを円滑に行える
  ・理事の負担が減少する  というメリットを生み出しています。

これまでに行った主な修繕工事として、
  ・外壁や鉄部の塗装、屋上防水更新
  ・給水管・排水管の更新、加圧給水化
  ・エレベータ更新、ガス管更新、地デジ対応化
  ・下水の浄化槽廃止と市下水への直放流化
といったものがあり、現在、外壁・鉄部塗装更新等の大規模工事の再来年度実施に向けての修繕委員会を立ち上げ、準備を推進しているところです。

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牧野駅前ハイツのこれまでの管理活動の紹介をさせていただきます。今回は、給排水関係工事の紹介です。 

昭和50(1975)年の分譲開始から20年を経過した頃から、サビ水や継目部からの漏水が見られるようになり、給水管・排水管の修理が必要になりました。また、
   ・高架水槽配管継目部が阪神淡路地震で破損
   ・揚水ポンプの老朽化
   ・14階建のため、上下で水圧が大きく異なる
といった課題もありました。
  工事方法には種々の方法があり、主なものは、
   ・管更新(新しい管に置換え)
   ・ライニング(内部のサビを削り、樹脂を塗る)
   ・脱酸素装置(サビの元の水中の酸素を取除く)
   ・セラミック方式 等々‥
  です。
これらについて業者ヒアリングを行い、工事費用を含めた今後30年間の費用で判断し、共用部配管(給水管・排水管)の「管更新」に決定し、同時に、
   ・加圧給水方式により高架水槽を廃止
   ・各戸に減圧弁を設置
  を実施することにしました。資金も不十分でしたので、「特別修繕積立金:5年間で計約65百万円」の追加徴収を総会で決議し、1999年度~2006年度にかけて工事を行いました。

最後に、次のグラフは、2001年4月~2002年12月にかけての水の出入りを表したものです。

給排水系はかなりの部分が地中に埋設されており、それらの部分での漏水を見つけるのは困難です。普段から「出(各戸・共用部)」と「入(親メータ)」をチェックし、異常の早期発見が肝要です。

[20090308 会報第7号に掲載]

防災・防犯

消防避難訓練

当ハイツでは、10月後半の木曜~土曜の3日間に、239戸の共用部、専用部内の消防設備点検を(有)ダイトー(寝屋川市)に委託し、毎年実施しています。その設備点検の終了後、引続き土曜の午後、住民対象の避難・消火・放水訓練を行っており、ダイトーに訓練の指導と援助をお願いしています。また、今年度から消防設備士が当ハイツの居住者にいることが分かったため、参加頂き、併せて援助をしてもらっています。

消火訓練は、オイルパンに石油を入れ、火をつけ、至近距離から、援助者の指導で消火します。消火器を毎年8本、新しいものと交換しているので、古い8本もこの消火訓練に使用しています。消火者の中には、女性、小学生もいます。

訓練参加者は例年30~40人で、消防署からは参加者を増やすように指導を受けているところです。

訓練参加の呼びかけ文、シナリオ、写真をご参考までに掲載します。 2021年消防避難訓練

[訓練の注意事項]

枚方寝屋川消防署の担当出張所へ事前の届出と、訓練終了後、結果報告を行う必要があります。届出時、消防署に訓練参加を要請すると参加し、相談の上、指導援助を行ってくれます。今回は、消防署より5名の参加を頂きました。(2022.3月 野田 記)