管理運営の基礎知識と事例

 

会員の実践紹介

■おことわり 内容は記事末尾に記載の時点のものです

ルモン枚方公園

[枚方市伊加賀北町 総戸数:65戸 棟数:1棟 建築・分譲開始:2003年]

管理組合について

ルモン枚方公園は、京阪枚方公園駅の南東約200mにあり、2003年に竣工された総戸数65戸のマンションです。駅から徒歩2~3分と立地条件にも恵まれ、若い世帯から比較的高齢者まで幅広い世代が居住しています。

管理組合は理事5名、監事1名の構成、2年交替の輪番制で運営しており、2月の総会で9期目を迎えました。

一昨年、初代管理員の交代を発端に僅か1年間に3人も管理員が交代するという異常事態が発生し、それをキッカケに管理会社との付き合い方を見直す事になりました。管理会社の変更も含めた検討を素人集団で議論するには限界があるため、昨年秋に枚管連に加盟しました。この加盟により、管理会社との付き合いよりも機械式駐車場という爆弾を抱え、更に赤字運営がされているという実態を知ることになりました。

現在はこの赤字運営を改善すべく、枚管連加盟のマンション管理士とコンサル契約を締結し、コスト削減に向けて理事会が一致団結してイチから勉強しながら、数年後には「あの時検討しておいて良かった」と思えるマンションにすべく、日々取り組んでいます。(須賀井 記)

[20120309 会報第25号に掲載]

経費削減

ルモン枚方公園では、一昨年秋に一般会計で約400万円の隠れた赤字を契約コンサルであるマンション管理士より指摘を受け、コストの見直しに着手しましたのでその内容をご紹介致します。

当マンションは総戸数65戸、駐車場は機械式駐車場(3段、4段パズル式)で65台分の駐車場があります。京阪枚方公園駅から徒歩2~3分という立地条件もあり、駐車場は常に15台前後の空きがあります。抜本的な解決には時間が掛かるため、本件では契約書の確認と価格交渉を行い、その結果年間20万円程度の減額に成功しました。

宅配ロッカーも契約書と実際の作業を確認するという基本的なことから始め、年に1回の点検とトラブル時の対応といういわゆるフルメンテナンス的な契約でしたが、緊急対応は皆無であり、年1回の点検もインクの補充と内部清掃のみで30分以内というとても作業に見合った費用とは言えない状況でした。

メンテナンス業者に確認したところ、起こりうるトラブルはセンサーの故障ぐらいで発生しても管理室にあるカギがあれば開錠が可能であること、契約を解除してもトラブル発生時の1回の出張費用と部品代でも年間のメンテナンス費用に達しないことから、契約を解除して年間6万円程度の減額を達成できました。

洗浄清掃は、竣工から7年間未実施でしたが、お試し感覚で共用廊下と階段の高圧洗浄を実施したところ、効果を実感できた所と出来なかった所がありました。毎年実施するかどうか悩んでいたところ、高圧洗浄機を取り扱っているケルヒャー社に購入検討としてデモを実施してもらい、汚れている部分を試したところ、説明時に理事が夢中で清掃するぐらい効果を実感することが出来たことと、購入費用が外部委託する費用と大差がないことから、購入して管理員の清掃業務とすることに決定しました。

こちらは機器を購入したため、コスト削減効果が出るのは今年以降になります。

コスト削減には契約書と業務内容の確認が絶対に必要であるということを早々に実感することが出来ました。次回は防犯カメラとホームセキュリティーについてご紹介したいと思います。 **********************************

第2回目の今回は、ルモン枚方公園における防犯カメラとホームセキュリティーのコスト見直し経験についてご説明いたします。

まず防犯カメラについて契約内容の確認をしたところ、レンタル契約をしていることが判明しました。レンタル契約により、約9年間同じカメラを使い続けておりその間故障で取り替えたのは1回限りでした。

レンタル契約はリースよりも短い期間の場合にされる契約が一般的だと思いますが、なぜか使い続ける防犯カメラがリースではなくレンタルでした。

当然9年も経過すると技術の進歩もあり、カメラの劣化もあり重要な役割である映像の鮮明さも落ちていると思われました。また、記録時間も1週間が最長という状態で、過去に駐輪場のトラブルで映像を確認中に1週間が経過してしまったことがありました。

この様なこともあり、リースや買い取りも含めて見積を取ったところ、買い取りをすることで防犯カメラ1台当たりの月額費用が4,463円から1,850円と半額以下となりました。当然機器も最新ですので、映像も鮮明で記録時間も2週間に延ばすことが出来るようになりました。最終的には割賦契約で契約をし、修理出張費用はその都度15,000円掛かりますが、契約期間中は動産総合保険が付いています。

次にホームセキュリティーについて、当マンションでは戸別監視の契約がされていました。戸別監視は各住戸の非常ボタンを押すとセキュリティー会社に非常ボタンを押した部屋番号が分かるような仕組みになっており、予め登録された電話番号に電話を掛けてきてくれて様子を確認してくれる仕組みです。火災や緊急時に折り返し電話をしてもらっても出られるような状況は考えにくく、むしろ119番や110番が対応してくれれば良いのですが、セキュリティー会社は直接119番や110番に電話することが出来ず、現場確認が必要とのことでした。しかも、当マンションでは65戸中30戸程度しか電話番号が登録されていませんが、費用は65戸分支払っていました。登録件数もさることながら、戸別監視の意味についても議論がされ、結論的には代表監視とすることで年間65万円程度の減額をすることが出来ました。 **********************************

第3回目の今回は、エレベーターと共用部電気料金のコスト見直しについてご説明します。

エレベーターはメーカー系のメンテナンス業者とフルメンテナンス契約をしていました。契約コンサルからのアドバイスに基づき、これまでの契約と同様に24時間の遠隔監視を必須として、フルメンテ契約とPOG契約の場合や、出張点検回数を4回と6回での費用の提示を見積依頼の条件として記載し、当時契約していたメーカー系以外に独立系を3社加えた4社の見積を比較しました。電話対応や価格面を考慮して2社に来館してもらいヒアリングを行いました。

メンテナンス内容や緊急時の来館時間について両社に大きな差は認められませんでしたが、当マンションの近くのエレベーター点検も実施していること、保全計画の今年度交換予定がある部品について、順次交換を行いますといった積極的な姿勢が伺えたため、理事会で協議の結果、独立系の業者に委託することを内定し、臨時総会での承認後に契約変更を実施しました。これにより、年間費用を39万円減額することが出来ました。

次に共用部電気料金について説明します。電気料金については年間200万円以上毎年要しており、一昨年加盟した枚管連で当マンションと同規模の戸数のマンションと比較しても割高であることを知りました。これまでに議論がされてきましたが、タイマー設定が細かく区割り出来ないこと、電球等を間引くと暗くなりすぎて防犯上問題や入居者から暗くて鍵穴が見えないという意見もあり、節電対策として解決方法が見つからず8年以上経過していました。

枚管連加盟の契約コンサルのアドバイスで高圧電力一括契約を考慮することで大幅な電気料金の節約が可能となることを知りました。業者に何度か来館してもらい、関電から契約を変更しても生活に支障が殆どないこと、安全面点検も十分に実施されることから、理事会では平成24年2月の定期総会の議題に取り上げ、業者にプレゼンも実施してもらい総会承認を得ました。

65戸全ての契約変更に時間を要することを覚悟していましたが、幸いにも2ヶ月程度で全ての入居者の契約変更が完了し、総会から7ヶ月後には切り替え工事を実施することが出来ました。電気料金の削減率は50%であり、切り替え工事直後から削減効果が出てきています。 **********************************

第4回は管理委託業務についてご説明いたします。こちらもまずは業務内容の確認をすることから始めました。

当マンションは65戸で比較的小規模のマンションですが、清掃員が週3日3時間勤務していました。

枚管連加盟の同規模のマンションでは管理員が清掃業務を兼務しているところもありましたので、同じように出来るのではないかと考え、業務内容の精査したところ、兼務は可能であると考え、管理会社へ清掃員を廃止して管理員が清掃業務も行うこと、管理員の週休1日を2日とするなどを含めて経費の約30%減額を要望し、管理会社も了承して契約の変更を行いました。

しかし、管理員が清掃業務をすることに慣れていなかったため、入居者からゴミが落ちている、蜘蛛の巣がある、電灯が切れたままであるなどのクレームが寄せられました。このため、理事会は管理員業務について週間予定表なども作成し、管理員並びに管理会社に対して提案してきましたが、残念なことに当時の管理会社は管理員指導が不十分で、清掃業務も期待する成果を出せない状況が続きました。

理事会から管理会社へ何度か改善要求をしましたが、最終的には当時の管理会社に業務委託を出来ないと判断し、管理会社をダイワサービスに変更しました。この活動は素人集団でとても対応できる内容ではなく、枚管連加盟の契約コンサルの多大なご指導もあり達成することができました。 **********************************

ルモン枚方公園におけるコスト削減について、これまで4回に渡りご紹介させていただきましたが、皆様のマンションで参考になる内容はありましたでしょうか。  

当マンションでは竣工から7年間、管理会社任せの管理組合運営をしてきました。2ヶ月に1回の理事会開催、管理委託契約の更新、設備メンテナンスなど何の疑問も持たず「こういうものなんだ」と思っていました。管理会社だから、費用を支払って管理してもらっているから100%入居者の視点で親身にアドバイスをしてくれていると考えていました。

しかし、ある入居者の方が枚管連を知り、理事会に紹介してくださいました。こう言っては失礼ですが、枚管連の方々は仕事を定年されてのんびりした老後を過ごせば良いのに、分譲マンションの交流会を開催し、小さなトラブルや課題や疑問にも親切に対応していただける方々が我々の味方になり、自分たちのマンションのおかれている状況を説明してくださいました。

後々コンサル契約をすることになった枚管連のマンション管理士からは「このままでは破綻するよ」とまで言われました。当然管理会社からその様な現実は一切それまで指摘されることはありませんでした。

結果的にコスト見直し委員会を立ち上げ、1ヶ月に2回の理事会開催、更に1回10時間にも及ぶ会議の末、これまでご紹介してきたコスト削減や管理会社、メンテナンス業者の変更をすることが出来ました。枚管連、契約コンサルであるマンション管理士、理事会、そして入居者の全てのみなさまに心から感謝を申し上げたいと思います。「自分たちの資産は自らが守る」、「全ては現状を知ることから始まる」、コスト削減に限らず、マンション運営においても通じる考えだと思います。騙されたと思って始めてみませんか?(須賀井 記)

[20130310,0707,0908,1109,20140113 会報第31,33-36号に掲載]

大規模修繕

ルモン枚方公園は14年期目を迎えた65戸の規模の大きいとは言えないマンションです。

平成28年(第13期)に初めての大規模修繕工事を行いましたが、工事は秋に13年目を迎える前に夏から始まりました。委員会を立ち上げてから工事まで2年間を要しました。修繕委員会ニュースを24回発行し、できる限り工事の状況、問題、お知らせ、居住者様へのお願いを伝えるようにしました。特に、施工会社からの重要なお知らせやお願いは繰り返しフォローするようにしました。洗濯物情報は掲示以外にネットや携帯でも確認できるように対応してもらい大変便利で助かりました。

工事の際に印象深かったのは、見積を取る作業、タイルの浮きの問題、屋上防水の工事時期を先延ばししたことがあげられます。

工事の見積はコンサルタントと一緒に共通の見積仕様書を作り、管理組合が主体となり、選定した会社を数社ずつに分け現場説明会を繰り返しました。何度も説明会を行うのは疲れましたが、管理組合が本気であることを伝え、談合を防ぐには自分たちで行うこの方法が一番良いと思いました。

業者とマンション内を回る際は気になる点を伝え相談し、集会室での対話で誠実な対応を観察しました。管理組合として不公平な扱いはしないこと、お互いに協力体制をとって工事を行いたいことを伝え、見積の協力をお願いしました。結果、見積に相当の努力を頂いた会社が複数あり、費用の点では本当に助かりました。

 

一番の問題となったのはタイルの想定以上の大幅な浮きです。マンション前面はPC版工法で浮きは全くなかったのですが、マンション横面(妻面)の現場打ちタイルの4割(全体計算すると19%の浮き)が浮いていると報告を受けました。毎日のように足場に上がり、確認を行いました。想定を大幅に超えていた為、修繕費用や工事期間の点を考えると本当に頭が痛い問題でした。修理方法を何度も話し合い、施工先の特許工法による修理を採用しほとんどを張り替えないで修理し、見た目にも同じ状態を保つことができました。

その後、コンサルタントも交え、マンション建築施工時の会社と交渉を行い(修理前に状態を確認)、かなりのタイル浮きの修理費用を回収することができました。最終的に費用負担の話が終了したのは工事が終わってから半年以上たっており忍耐強い話し合いが必要でした。

屋上防水のうち、露出アスファルト防水箇所は状態を確認のうえトップコートを塗りなおし、まし張りは先延ばしとしました。コンクリート仕上げ箇所は端末の処理を行いましたが、一部漏水が疑われるところについてはウレタン防水のうえシート張りを施しました。

工事が終わり、当分大規模修繕工事について考えたくはありませんが、タイルの浮き問題の際に、3年おきの特殊建築物調査で事前にタイルの浮きをもっと把握できなかったのか、という思いがありました。今後のタイル調査はこちらからも要望を出して行うことにしました。

工事対応は相当に知識を要し大変でしたが、方々に教えていただき工事を終了させることができました。修繕委員会も足場に何度ものぼり自分たちで確認しました。

その後、1年目点検も終了しました。その際、アスファルト防水の一か所に破れが確認され切開の上修理を行いました。今後も点検を欠かさず状態把握に努めながら、できる小修繕をおこない次回の工事を少しでも先延ばしできるようにしたいと思っています。(入口 記)

[20180115,0317 会報第60,61号に掲載]