管理運営の基礎知識と事例

 

会員の実践紹介

■おことわり 内容は記事末尾に記載の時点のものです

グランパティオ枚方

[枚方市上島町 総戸数:156戸 棟数:4棟 建築・分譲開始:1988年]

管理組合について

グランパティオ枚方は、京阪本線牧野駅から、徒歩約6分(約540m)の好立地にある。分譲から既に20年が経過。開発コンセプトにある"明るさと気高さの漂う集合住宅"が時を経て風化していく。また、これからは建物・設備の劣化・老朽化は急速に進む。

この実状のなか"資産価値"を維持するには、管理・運営のあり方が、今後さらに重要性を増す。

管理・運営の状態によって住み心地に大きな差がでる。「マンションは管理を買え」と言われるが、維持管理がどれだけしっかりしているかによって資産価値は大きく変わる。昨年、管理規約の改正に伴い"修繕・改修計画、実施"を検討する「専門委員会」が発足した。この委員会が主体的に機能するには理事会との相互理解が前提となる。それが確立、成熟するまでには時間も必要であろう。今後の前向きな発展的な成り行きが期待される。

幸い、「枚管連」(枚方マンション管理組合連合会)に加入。課題である"維持管理・運営"に関する情報が入手でき、参考にすべき事項が多い。

         

[20090907 会報第10号に掲載]

大規模修繕

H26年度 第2回大規模修繕工事体験談

グランパティオ枚方管理組合は、平成26年1月中旬から7月中旬までの6ヶ月間、第2回大規模修繕工事を行った。大規模修繕工事を行うまでの下準備に1年間、修繕委員会委員の方々は心労された。また、今回の工事は標準的な工事であり、特別に特記するような工法はなかった。当マンションの平面形状は北向逆C型で、真中に3F建て集会所があり、1Fは平地駐車場で、2F・3F(屋根なし)は子供の遊び場として利用している。マンション棟は6F建てで、156戸の居住区画となっている。
1 建築工事の要、コンサルタント選定について

前任理事長、理事の方々が、インターネット情報等により5社を選定された。選定後、各会社を訪問され、会社状況を把握された。組合員出席のもと5社のヒアリングを行い、評価のためアンケートを実施した。修繕委員会では、アンケート結果と見積書を比較、検討し、2社を選定した。再度、組合員の前で2社のヒアリングを行い、その結果を修繕委員会で審議を行った。

委員の総意は㈱MTKで一致したが、慎重を期するために、㈱MTKがコンサルを行った枚管連会員のグリーンタウン香里ヶ丘様を訪問させて頂き、良い評価をお聞きしたので、㈱MTKをコンサルタント会社として採用を決めた。
2 枚管連会員情報から得た知識を基に、工事会社を選定した。

工事会社の応募数は9社に至った。書類選考後6社に絞り、見積依頼を行った。見積作成のための業者立ち入り状況、ヒアリングの結果を審査の対象とした。設計値を100とした場合、各社の見積額は、92.39~107.96%の範囲であった。修繕委員会は、ヒアリング結果と見積書の内容を検討し、2社を選定した。選定結果を理事会へ諮り承認されたので、㈱MTK立会いのもと臨時総会に諮って、設計値の92.39%の㈱長谷工リフォームに決定した。
3 工事部位・部位別工事内容・工事費用一覧表まとめに莫大な時間を費やした。A3用紙2枚にビッシリ記入された項目別工事部位についての検討を5回行った。5回行ったことにより、工法、金額等が満足いく一覧表となった。無駄を省き、品質向上、修繕費用削減するうえで、大変重要な検討会だった。
4 工事中、工事が一ヶ月位休止した。東日本大震災の影響で職人不足かどうか分からないが、きちんとした工事が出来るのか不安になったが、工事は計画通り終えることができた。
5 平成16年に施工した屋上防水の完成度が悪く(シート継ぎ目処理、勾配不良)、水溜り箇所が多かったので、今回の工事については水溜りが出来ない工事を行うよう注意を促した。

今回工事の1年目検査では、1箇所水が少し浸入していたが、出来は満足いくものだった。
6 外壁塗装色がクリームホワイトの明るい色合いなので工事完了後、半年位で水垢のラインが多く目立ち、見た目に汚く、3回目の大規模修繕には塗装色の検討が必要である。
7 集会所周辺の子供の遊び場所には、ウレタン塗膜防水+クッションマット処理を行い、怪我防止に効果ある工法とした。怪我防止工法の検討に時間を費やした。
8 2回目の大規模修繕工事を終えて、問題点を考えてみた。

① 駐車場、集会所の壁塗装の塗り方の悪さが目についたため、手直しを依頼した。

② 玄関枠、PS枠のシーリング交換は本当に必要なのか疑問を感じた。紫外線、雨水等の影響が少なく、悪くなって作業しても足場が必要でないため、いつでも作業ができる。

③ 職人が対価に対して不満があるのか、現場を掛け持っていて多忙なのか分からないが、お客を満足させる提案作業が行われていない。階段のシートの剥がれ、駐車場壁の塗装、コンクリートの割れ、アルミ手摺の発錆等の不具合についても知らんふり。

④ 当管理組合は、値引きに関してはきつい要望を申し出ていない。強い要望を出して値引きしても職人の対価が少なければ③の状況が考えられ、職人のやる気を損なう。誰でも、利益の少ない仕事は気が入らないと思われる。

⑤ ①の手直し箇所は、1年目検査で変色による再指摘となった。1年経過で集会所階段鉄部の広範囲発錆に至ったのは、素人かアルバイトの仕事ではないかと疑った。

⑥ 工事完了後、提出された30年長期修繕計画の金額に驚いた。未来を見据えて、修繕積立金の値上げとなった。専有面積により、毎月1,850~2,940円の値上げとなった。

⑦ 大規模修繕工事完了から1年後に、管理会社から工事の提案がされた。

  ・消火栓ポンプユニット交換工事(¥3,000,000-)

  ・避難梯子交換工事(¥2,300,000-)

上記2項目は、平成27年に工事は完了したが長期修繕工事計画外の工事である。大規模修繕工事完了後、1年少し経過でこの金額、修繕積立金値上げしても追いつかない。経費削減には、管理組合の技量アップが望まれる。また、今回の工事にLED化を考慮に入れていたが、修繕工事に関係ある人は工事業者を推薦できない(管理規約)により断念した。工事見積費用は、蛍光灯部位をLED化して260万円であった。組合が主体的に工事を行うと、LED化でも260万円で済む。2020年から国はLED化にする予定だが、工事を終えた蛍光灯がどうなるのか不安である。

⑧ 現状、職人が激減した昨今、今後の大規模修繕工事の品質については、低下の一途をたどりそうだと強く思った。また、国交省の大規模修繕工事の周期は、全国のマンションの修繕周期平均値なので、まず、自分のマンションの劣化状況を把握することが大事だと思う。(末永 記)

[20160711,0912 会報第51,52号に掲載]