管理運営の基礎知識と事例

 

会員の実践紹介

■おことわり 内容は記事末尾に記載の時点のものです

ひらかたアミスタ北山

[枚方市北山1 総戸数:129戸 棟数:9棟+管理棟 建築・分譲開始:1995年]

管理組合について

国道1号線・家具団地西側のポエムノール北山地域にあって、国会議事堂風の大阪工大に隣接しています。アミスタは都市公団コンペで選ばれた建築だけに、周辺の景観にマッチするよう一角に残された環境保全自然林と豊かな植栽を背景に、低層3階建ての住棟はマンションというイメージのしないユニークな居住空間を持っています。

管理組合は年番交代の理事で運営し、定例理事会での諸問題の解決や行事・コミュニティ活動を行なっています。他に地域のポエムノール北山自治会(総戸数約1,200戸)にも加入し、「夏まつり盆踊り大会」「秋の体育祭」「X-Mas餅つき大会」などにも参加しています。

しかし、築後13年目を迎えたアミスタは大規模改修の時期を迎え、今まで管理会社任せであった管理組合運営に新たに大規模修繕委員会を設置し活動を始めました。枚管連に加入させてもらい、皆様から情報やご指導をいただきながら自らの力で有効な工事が実施できるよう取り組みをはじめた所です。どうかよろしくお願い致します。

         

[20100111 会報第12号に掲載]

経費削減

枚管連に加入して1年目の第28回交流会(管理コスト削減の情報交換)で、我がマンションの管理委託費がダントツに高額であり35%もの隠れた赤字(駐車場使用料でカバー)であることを知りました。

またその後、1年交代の新任理事研修会をお願いし、管理委託費の「簡易診断」に基づき高額な各種費用毎の指摘を受け、過去10年以上管理会社任せであった反省に目覚め、正に「目から鱗が落ちる」思いでした。  

新しい理事長も当然びっくり仰天され、理事会での真剣な取り組みを開始され、また、管理規約も原始規約のままであったので、合わせて全面見直しすべく「専門委員会;規約委員会」を設立し、管理会社との交渉が始まりました。

 

管理委託費の見直しは、当初お願いベースで切り出し、簡単に25%程度の値下げを申し出てきましたが、当然そんなレベルで了解できるわけでなく、再三にわたって交渉を続け、「これ以上になれば管理契約を降りなければなりません」という言はありましたが、委託業務内容の見直しを含めて36%の値下げを実現しました。

しかし、まだまだ枚管連会員のレベルからみれば高い状況にあると考えており、基本に帰って管理仕様の見直し・競合見積・管理会社変更も視野に入れた削減に取組むことが今後の課題です。

そうした経緯の中でその他の経費節減にも取組み、今まで全て管理会社任せの各種工事等を自主発注し、下記のような節減を図りました。

①給水ポンプ更新工事 ;1890千円⇒1155千円(業者変更:▲39%)

②ガス漏れ警報器の法定交換 ;1200千円⇒769千円(業者変更:▲36%)

③法定特殊建築物検査 ;200千円⇒111千円(業者変更:▲45%)

④雑排水管清掃 ;609千円⇒420千円(価格交渉:▲31%)

⑤水道メータの法定交換 ;1500千円⇒862千円(業者変更:全額補助金で賄えた)

⑥ポンプ室内配管劣化交換 ;500千円⇒441千円(業者変更:▲12%) (山村 記)

[20120704 会報第27号に掲載]

大規模修繕

●大規模修繕工事の経過(1995年分譲、築15年目第1回大規模改修工事)

平成20(2008)年6月

大規模修繕委員会立上げ、以降、枚管連加入、各種講習会などで情報収集、大阪府住宅供給公社などコンサルタント会社調査・現地説明会等でコンサルタントを選定。

平成21年1月

コンサルタント(集改センター)選定臨時総会、以降、建物診断・工事設計図書・見積仕様書などの作成、工事業者見積・評価・ヒアリングなどを経て発注業者( 高分子(株) )を仮決定。

平成22年1月

臨時総会で発注業者・価格および予算等の承認、2月着工・7月大規模修繕工事竣工。

●ひらかた北山アミスタの経験・あらすじ

★管理会社任せにしない(管理組合の自主的取組み)

  • 管理会社が作った長期修繕計画の工事時期・予算金額に疑問をもった。
  • 理事会を支援する専門委員会を設けた。(大規模修繕委員は4名+設備担当理事+他理事・一般住民適宜参加で構成)
  • 建物などの現状から、工事時期と費用の見直しを管理組合で確かめることにした。
  • 枚管連などの情報や各種講習会・実績マンション見学などで勉強した。

★コンサルタントを利用した

  • 管理組合の立場になってアドバイスしてくれるコンサルタントを選択すべく調査した。
  • 大阪府分譲マンション管理・建替えサポートシステム、京滋管対協、集改センターの現地視察・無料指導などを受け、集改センターを採用した。
  • コンサルタントは2名体制で工事設計・監理までの契約を総会で決定した。
  • コンサルタントも交えて、原則月1回の修繕委員会を開催し、設計図書・見積仕様書などを作り上げた。

★工事内容は住民の合意で決めた

  • 建物診断・工事内容をコンサルタントが提案。
  • 住民アンケートなどを含め大規模修繕委員会で調整。
  • 住民説明会実施。外壁・屋根・廊下などの色彩見本(CGと実物見本)による住民投票を実施。

★業者選定は公平・談合防止に配慮した

  • 見積参加業者公募は業界新聞と広報に掲載。
  • 応募書類受領はコンサルタントと修繕委員長自宅に指定。
  • 開封はコンサルタントで実施し比較検討資料を作成。(業者名は伏せ、ランダム番号を付して呼称)
  • 現地調査は社名入りの車・ユニフォーム使用不可、日時予約・1日1社指定。
  • 各社の見積に関する質問書は一括して回答し情報の共有・レベルを合わせた。

★見積比較検討・絞り込み

  • 見積仕様書は比較評価が容易な統一様式(エクセル)とし、集計表・グラフ化など検討資料を作成した。
  • 評価項目・評価基準点数はコンサルタントが作成。
  • 見積応募17社から書類選考で7社の見積指定業者を選定した。
  • 7社から見積金額上下2社を除いた5社で評価。

★ヒアリング・最終選考

  • 5社見積評価から3社をヒアリング対象に選定。
  • ヒアリングは大規模修繕委員会メンバー(理事会含む)で行い一般参加者は傍聴のみとした。
  • 共通質問項目を折込んだ想定質問書を用意した。
  • 会社の取組み意欲・姿勢・信頼性と現場代理人の人柄・資格・経験および工事期間・住民への配慮・仮設費用軽減工法など重視した。
  • ヒアリング直後の印象が強い間に、最終選考会議を行い、全員一致で高分子(株)社を仮決定した。

★臨時総会で工事業者・予算を承認

  • 工事実施計画・工事業者選定経過説明と承認。
  • 工事発注価格・予算(予備費含む)と修繕積立金取り崩し案の承認。
  • 工事進行中の工事監理の細部運営に関して、理事会(大規模修繕委員会)への一任事項の承認。

★工事契約調印と住民説明会

  • 工事契約書調印式施行。
  • 住民説明会(3回)実施、111名/129戸が参加し、PP映像で仮設工事要領・行程・駐車場一時移動・バルコニー使用制限(洗濯物干し可否メール配信)・物品一時移動預かり場設置など、住民への協力依頼・注意事項などを詳しく説明した。

★工事監理

  • 工事進捗報告会議は大規模修繕委員会として月1回開催し、コンサルタントおよび業者からの進捗報告・課題について協議し、行程進行諸問題・対策などを決定した。
  • 工事(作業)状況は、動画映像を使って説明し外壁塗装の様子・確認困難な高所作業の様子などを詳しく説明した。
  • 工程会議は、週1回工事現場事務所で行い、コンサルタントを含めて詳細な工事内容について協議・調整をした。
  • 屋根防水作業は大規模修繕委員もヘルメット着用などをしながら現場確認をした。

★「大規模修繕広報」全戸配布

  • 広報紙は、平成20(2008)年の大規模修繕委員会発足から平成22年7月工事完了竣工式まで、合計25回発行した。
  • 大規模修繕工事準備から工事設計・仕様書作成、業者選定および工事進行内容など、できるだけ詳しく住民の皆様への情報開示をし、協力要請なども行った。

★修繕委員会の継続

長期修繕計画の実施を主とした修繕委員会を引き続き継続している。(山村 記)

[20120108-0512 会報第24~26号に掲載]

 

枚管連の活動で 

ひらかた北山アミスタは、今年7月に築15年目の大規模改修工事を成功裏に終えることができました。

築7年目頃、管理会社が作った長期修繕計画に基づく大規模修繕工事と、不足する修繕積立金の大幅値上げ、それに見合った工事費見積が提示されました。全く管理会社ペース、「お任せ管理ではダメだ」と気付き、大規模修繕委員会を立上げ、各地の講習会参加、大阪府住宅供給公社の無料指導などで勉強し、同時に枚管連にも加入し個別相談・交流会などに参加させていただきました。

また枚管連では、専らアミスタの為のような「大規模修繕工事研修会」を企画していただき、コンサルタント選びから工事計画・監理に至るまで、先輩諸氏から沢山の情報・ご指導をいただきました。

おかげで、足かけ5年にわたる大規模改修事業が自主管理によって全うでき、合わせて管理組合運営の諸問題にまで目を覚ませていただき、目下「管理経費削減」にも取り組んでいます。本当に「お蔭様枚管連」です。

今後はこれらの経験を会員相互の情報としてお伝えしてゆくつもりです。(山村 記)

[20101226 会報第18号に掲載]